Vol.12 エピローグ 地球を巡る様々な出会い
船旅カメラマンとなって節目の十年を迎えました。
カメラを持ち、写真を撮るようになったのはそれから数年以上さかのぼりますが、船旅カメラマン自体は客船専属の写真師としての仕事がきっかけでした。
そして船旅というジャンルに携わるようになって以来、この仕事の魅力でもあるのですが、様々な出会いに恵まれました。船上での出会い、寄港地での出会い、船を追って旅したときの出会い。それは時に人との出会いであり、また自然との出会いでもありました。
ボクはあるときから、人との別れに切なくはなりますが、悲しみをあまり覚えなくなりました。
20数年前の流行曲の冒頭で「さよならは別れの言葉じゃなくて、再び会うまでの遠い約束...」とありますが、きっと縁があればまた会える、そう思うといつかくるその日がとても楽しみになります。
昨年2007年秋にフランス・リヨン在住の友人宅を訪れ、10数年ぶりに再会しました。そのときもその長い長い年月を感じることはほとんどありませんでした。
縁とはそういう見えないけれども、感じるものかな、と思います。
地球を巡り、旅するとき、一番楽しみなのは世界中の子供たちに出会えることです。
月並みな物言いかもしれませんが、彼らの瞳には無限の可能性が見えます。「ボクでは到底かなわないな」と感じる何かです。
そして雄大な自然の前に一人立ったとき、やはり「到底かなわないな」と同じ感覚を覚えます。
そんな彼ら子供たちや雄大な自然をレンズ越しに眺めているとき、とても幸せな気持ちになります。それはどことなく普段疎かにしてしまう謙虚さを感じるからかもしれません。
2008年盛夏、新しい家族が増え、長男の名前を「和帆」と名付けました。
学生時代、ボクは体育会ヨット部に所属していました。
ヨット部時代はカメラ(写真)とは無縁でしたが、カメラマンとしての礎となったのは帆に風を受け、気がつけば海にいたあの頃の要素が強いように思っています。最初は一枚の帆で自分自身の道を切り開くという意味合いから「一帆」に命名しようと思ったのですが、一枚の帆よりたくさんの帆のほうがより風を受け、より自由に進むことができることから、「和」という字を選びました。
日本人としてのアイデンティティの「和」、ピースな世の中を夢見る「和」、人と人を繋ぐ「輪」(和)、穏やかで人と仲良くする意味の「和」などなど。世界を旅するとき、その土地に住む人々を尊重すること、調和を保つことが大切となります。
そして文化を知るとき、日本人としての自分を意識します。
ボクには彼に見せたい世界があります。彼と一緒に見たい世界があります。
世界を届け、地球を巡る旅はまだまだこれからも続きます。
『 E-SYSTEMで世界の旅を届ける 地球クルーズ 』 連載第一弾終了

