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E-SYSTEMで世界の旅を届ける 地球クルーズ


Vol.12 エピローグ 地球を巡る様々な出会い

2008年10月28日 11:00 テーマ [ ]

船旅カメラマンとなって節目の十年を迎えました。
カメラを持ち、写真を撮るようになったのはそれから数年以上さかのぼりますが、船旅カメラマン自体は客船専属の写真師としての仕事がきっかけでした。
そして船旅というジャンルに携わるようになって以来、この仕事の魅力でもあるのですが、様々な出会いに恵まれました。船上での出会い、寄港地での出会い、船を追って旅したときの出会い。それは時に人との出会いであり、また自然との出会いでもありました。
ボクはあるときから、人との別れに切なくはなりますが、悲しみをあまり覚えなくなりました。
20数年前の流行曲の冒頭で「さよならは別れの言葉じゃなくて、再び会うまでの遠い約束...」とありますが、きっと縁があればまた会える、そう思うといつかくるその日がとても楽しみになります。

昨年2007年秋にフランス・リヨン在住の友人宅を訪れ、10数年ぶりに再会しました。そのときもその長い長い年月を感じることはほとんどありませんでした。
縁とはそういう見えないけれども、感じるものかな、と思います。


おもちゃのカメラで遊ぶ仲良し2人組 ハバナ/キューバ (E-300 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

牧場見学に来ていた子供たち。顔をペインティングしたりして何かを演じていた。 ダブリン郊外/アイルランド (E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6

地球を巡り、旅するとき、一番楽しみなのは世界中の子供たちに出会えることです。
月並みな物言いかもしれませんが、彼らの瞳には無限の可能性が見えます。「ボクでは到底かなわないな」と感じる何かです。
そして雄大な自然の前に一人立ったとき、やはり「到底かなわないな」と同じ感覚を覚えます。
そんな彼ら子供たちや雄大な自然をレンズ越しに眺めているとき、とても幸せな気持ちになります。それはどことなく普段疎かにしてしまう謙虚さを感じるからかもしれません。


山の上に家が建つスラム街 ミルクのような飲み物を片手にニコリと笑ってくれた。 カヤオ近郊/ペルー (E-300 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

南インドの人たちは表情が柔らかい。撮影でお世話になったドライバーさんの息子とお孫さん コーチン/インド (E-300 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

マオリの村を訪れた。カメラは交流の手段。 オークランド郊外/ニュージーランド (E-1 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

木の陰は意外に涼しい。はにかむ彼女たちをパチリと。 ラバウル近郊/パプア・ニューギニア (E-1 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

2008年盛夏、新しい家族が増え、長男の名前を「和帆」と名付けました。
学生時代、ボクは体育会ヨット部に所属していました。
ヨット部時代はカメラ(写真)とは無縁でしたが、カメラマンとしての礎となったのは帆に風を受け、気がつけば海にいたあの頃の要素が強いように思っています。最初は一枚の帆で自分自身の道を切り開くという意味合いから「一帆」に命名しようと思ったのですが、一枚の帆よりたくさんの帆のほうがより風を受け、より自由に進むことができることから、「和」という字を選びました。


イスラムの国の子供たちは仕草がとても優しく、はにかみやが多い。 トリポリ郊外/リビア (E-300 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

教会の孤児院を訪ねた。自立した生活を目指し、子供たちは強く生きる。 リオ・デ・ジャネイロ/ブラジル (E-1 / ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

街角で出会った少年。コミュニケーション次第で気持ちは通じる。 ブエノスアイレス/アルゼンチン (E-1 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

日本人としてのアイデンティティの「和」、ピースな世の中を夢見る「和」、人と人を繋ぐ「輪」(和)、穏やかで人と仲良くする意味の「和」などなど。世界を旅するとき、その土地に住む人々を尊重すること、調和を保つことが大切となります。
そして文化を知るとき、日本人としての自分を意識します。
ボクには彼に見せたい世界があります。彼と一緒に見たい世界があります。
世界を届け、地球を巡る旅はまだまだこれからも続きます。

『 E-SYSTEMで世界の旅を届ける 地球クルーズ 』 連載第一弾終了



Vol.11 白い大陸、夢の南極

2008年10月21日 11:00 テーマ [ ]

2007年夏、田園調布のDeco's Dog Cafe にて写真展「夢大陸〜南極の詩(うた)〜」、今年2008年夏には国分寺のカフェスローにて写真展「南極×南太平洋」(水本俊也&Stacy Hughes)をそれぞれ開催させていただきました。

これも様々な方とのご縁、ご支援の元に実現した写真展であり、企画展でした。2004年の暮れに初めて南極という未知の世界を訪れる機会に恵まれ、続いて2006年、2008年と計3回訪れることができました。
なかなか容易には足を踏み入れることのできないこの異世界に、行けば行くほど、撮れば撮るほど被写体に魅了されている写真家としての自分がいます。
写真というのは画面の中から不要なものを排除する作業が大切になっていきます。すなわちシンプルになればなるほど、写真としての伝える力が増していくのです。
南極には人間の力が到底及ばない圧倒的な自然が存在し、目の前にあるのは氷と海と空、そしてペンギンを初めとした様々な生き物たちです。
地球規模の大自然、それが白い大陸、夢の南極でした。


ナンキョクオットセイはあくびを繰り返し、ひたすら寝ていた (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

まだタマゴだった12月、生まれてまもない2月初旬、体重が親ペンギンに追いつきそうな3月(写真) (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

日本ではまだ冬の気配が残る2008年3月初旬、南半球に位置する南極は短い夏が終わりへと近づいていました。
前年、エンジェル・フォールへ向かうボートの上でびしょ濡れになった教訓を活かし、街での撮影と辺境地での撮影の機材を分けたボクは防塵・防滴を誇り、「もう、撮れない世界はない」と謳ったE-3を2台携えて意気揚々と南極へと向かいました。
この南極行きでは著名な動物写真家の方と新聞社のベテランカメラマンの方とご一緒させていただくという非常に稀な組み合わせだったのですが、あらゆる面で刺激にも勉強にもなった有意義な撮影紀行となりました。


南極で迎えた朝。太陽は静かに昇る (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

湧き上がる雲が雄大な自然をよりいっそう大きく見せる (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

青と白のコントラスト。乱反射する光が美しい (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

夜の帳を迎える頃。グレーの世界はボクを優しく包んでくれた (E-3 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

100人乗りの客船からゾディアックという小型のゴムボートに乗って、南極半島の島々や大陸に上陸をしたり、遊覧をしたりするのですが、3人一緒のボートに乗るのが常でした。なぜなら立場は違いますが、同業のカメラマン。早く上陸してたくさんの写真を撮りたいからです。
ボートの上で少し可笑しくも誇らしい気持ちになりました。なぜなら3人のカメラマンの中でカメラを両肩にむき出しにかけていたのはボク一人だけでしたので。
(ちなみにカメラはズイコーレンズの12-60mm/2.8-4.0 SWDと50-200mm/2.8-3.5 SWDをそれぞれ装着したE-3が2台です。)ときに雪が散らついたり、雨が降ったりするのですが、なんのその。
ボクは最強のカメラという平和な武器を手にしたのです。


人もペンギンも同じか。氷山の上ではペンギンそれぞれの生活が営まれている (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD + 1.4x Teleconverter EC-14 + 2x Teleconverter EC-20

船で南極を訪れる。最高の贅沢であり、最も確実な手段でもある (E-3 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

Vol.12 エピローグ 地球を巡る様々な出会い編に続く...



Vol.10 最後の秘境・ギアナ高地(ベネズエラ)

2008年10月14日 11:00 テーマ [ ]

大正琴の音がテレビから聞こえていた元旦明けの1月2日、空路成田から経由地を経て、撮影機材を背負って一人向かった先はベネズエラとブラジルの国境にまたがるギアナ高地の一角、世界遺産に指定されるカナイマ国立公園。ギアナ高地には大小100ものテーブルマウンテンが存在し、その中でも有名なのが、2560メートルの高さのアウヤン・テブイ(悪魔の山を意味する)の頂から流れ落ちるエンジェル・フォールです。その高さたるや979メートルというから驚きですが、それ以上に不思議なのは滝つぼがないこと。あまりの落差に流れ落ちる水が地上に到着する前に霧となって消えてしまうのです。エンジェル・フォールの滝つぼへのアクセスは小さな乗り合いボートでした。小型・軽量のオリンパスE-500を2台、両肩に携えての撮影となりましたが、2台のカメラと3、4個の交換レンズをカバンに収めても携帯荷物は全く苦になりませんでした。


エンジェル・フォールの滝つぼまで、船を乗り継ぐこと2回、小さなボートが水を切り、水を被ることに成す術なく (E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

カナイマ国立公園に広がる雄大な大地 (E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

船を下り、今度は登山。間近に目にしたエンジェル・フォールは大迫力(E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

茶色く染まった川を源流に向かって遡ること5、6時間。この茶色、熱帯特有の植物からにじみ出た「タンニン」という植物成分からくるもの。このボートの旅の難点は、ときに頭から水を被り、ひたすらカメラバックを胸元に抱え、我慢、我慢の連続だった点です。なんだかマイナスイオンを浴びて気持ち良さそうに思うのですが、このときほど防塵・防滴の元祖E-1を1台カメラバックに入れておけば良かった、と後悔したことはありません。撮影自体は天候に恵まれ、良い結果を得ましたが、ずぶ濡れになったことは言うまでもありません。


植物成分「タンニン」の溶けた川の水 (E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

至るところで巨大な滝が見られる (E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

数日後、機上の人となり、空の上からエンジェル・フォールの撮影を試みました。このギアナ高地の地層は20億年近く前という気の遠くなる歳月のものがそのまま残っていると言われます。名探偵シャーロック・ホームズの産みの親であるコナン・ドイルはこの地をモチーフに「The Lost World(失われた世界)」を執筆しました。カナイマ国立公園を初めとしたギアナ高地一帯にはコナン・ドイルが産み出した恐竜たちが闊歩していてもおかしくないような世界が広がっています。今から2億5千年前に存在した幻の大陸「ゴンドワナ」。地球の地殻変動に伴い、南米、アフリカ、インド、オーストラリア、南極へと分裂、移動しました。ここギアナ高地は神秘の名にふさわしい最後の秘境でした。


絶壁で隔離されるギアナ高地の上は峰々で異なる生物が生息する(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

979メートルの落差は世界一 (E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

ジュラシック・パークを想わせる地球を感じる大地 (E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

最後の秘境にもここ数年たくさんの観光客が訪れるようになった (E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

Vol.11 白い大陸、夢の南極編に続く...



Vol.09 ケルトとギネスの街・ダブリン(アイルランド)

2008年10月07日 11:00 テーマ [ ]

個人的な嗜好で恐縮ですが、以前は黒ビールがどうも苦手でした。
アイルランドの首都であり、経済の中心地であるダブリンに短期滞在したおり、「コーヒーよりも安価で飲める喉を潤す飲み物だから」と、なんだか後ろめたくも昼間からビールを口にする理由付けをしながら、街の角々にあるお店に立ち寄ってはギネスを注文していました。
それはアイルランド随一の観光名所であるギネス誕生の地、ギネス・ストアハウスを訪れたことに始まります。

いつものように初めての街では一番高い場所を目指して歩き始めます。中規模から小規模の街となるとことさらこのランドマークを訪れることが街の全体像を把握する意味でも重要となってきます。
ダブリンの街で最初に目指したのは、ギネス・ストアハウスの中にある市街地から客船の停泊する港までを一望できる最上階のバー「グラビティ」。位置する場所が高いところという理由だけでボクにとっては行く意味があるのですが、幸か不幸か入場券に1杯のギネスがついてくるのです。見晴らしのよい展望バーから街を眺め、ビールを飲む。
これほど幸せなことはありません。下界(街中)に下りてからは「GUINNESS」の看板を目にしては、クリーミーな泡がグラスの底部に流れる時間を楽しむために、パブクロール〔pub crawl〕(酒場をはしごすること)し、その度にお店のドアに取り付けられた鐘をカランコロンと鳴らしたのでした。


ショップあり、バーあり、工場の様子も見学できるギネス・ストアハウス(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

美女にもギネスがよく似合う(E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6

「ケルズの書」はギネスと並びダブリンを代表するシンボル(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

古代都市として栄えたダブリンにはもうひとつの一面があります。
それはケルト文化に代表される妖精と神話の街という側面です。歴史と近代が調和されたお洒落な街中に位置するダブリン大学のトリニティー・カレッジは400年以上の歴史を持つ由緒あるアイルランドの最高学府です。
ここの図書館にはケルト芸術の最高峰とされる「ケルズの書」が展示されています。意外に思われるかもしれませんが、ケルト文化は日本人にとって実は馴染みのあるものでもあります。
卒業式などで歌われる「蛍の光」はアイルランドやスコットランドに伝わるケルト民謡を明治時代に和訳したもの。歌手のエンヤは日本だけではなく、世界的にも人気があります。


トリニティー・カレッジはその構内を誰もが訪れることができ、散策が気持ちよい(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

街の各家々の軒先や庭園には小さな小人たちが飾られている(E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6

ケルト民族は「死とは長い生の中間地点にすぎない」と考えていたそうですが、戦場での命知らずな戦いぶりはその死生観によるものが大きく、肉体をもって生き続ける異界、すなわち彼らにとってのもうひとつの世界(Another World)とのことです。日本人の生き様、日本文化の価値観にケルトのそれと通じるものを感じるのははたしてボクだけでしょうか。


ダブリン市内では騎馬警察の巡回パトロールを目にすることができる(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

ダブリン郊外は自然に恵まれ、放牧地などが広がっている(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

Vol.10 最後の秘境・ギアナ高地(ベネズエラ)に続く...



Vol.08 カリブ海の孤高・キューバ

2008年09月30日 11:00 テーマ [ ]

アーネスト・ヘミングウェイがこよなく愛した街・ハバナ。高校生のとき、「老人と海」を手にしたボクは残念ながらその深みをあまり理解できませんでした。
それから20年近く経過し、少しだけその世界を感じられるようになった気がします。
旧市街を眺める丘に立ち、客船が入港してくるのを待っていたとき、近くに教会があるのか2人のシスターが同じように街並みを眺めていました。ほんの一瞬、物語の中の時代に紛れ込んだような異世界を感じました。


古き良き時代が色濃く残るオールド・ハバナの市街地にて (E-300 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

オールド・ハバナの街並みを望む (E-300 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

ボクが訪れたのは3年前の2005年。この年、大型ハリケーン「カトリーナ」がアメリカ南東部を襲いました。ハリケーンの通り道であるハバナですが、この訪問時にも大型のハリケーンに遭遇し、街中はバケツの水をひっくり返したような光景になりました。宿泊地から一歩も出られない状況の中、外国人観光客の空港までの送迎に政府の水陸両用車が出動する騒ぎとなりました。
しかし、数日後には街は何もなかったかのように、日々繰り返される日常風景に戻っていたことにこの国の結束力と対応力の強さを印象付けられました。


2005年10月ハリケーン「ウィルマ」がハバナの街を襲った (E-300 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

キューバといえば、キューバンダンスや音楽、北京オリンピックでも日本代表の前に立ちはだかった野球など有名なものは数多くありますが、近年注目されているのが都市農業。
日本の政令指定都市・名古屋に匹敵する200万の人々が暮らす首都・ハバナには街のいたるところで、大小8000もの農場、菜園が存在しています。官庁街なども例外ではありません。
ハバナの人々は、野菜や果物に関して100%という驚くべき数字での自給自足を、しかも有機農業で実現しているそうです。


有機農業で収穫した果物。市民の胃袋は街中で満たすのが、キューバの流儀 (E-300 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

農場で働くおじさんは片時も葉巻を口から離さない、Mr.ダンディ (E-300 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

東京都心やボクの住む横浜を歩くとき、戸建の家やマンションの庭に畑があったらいいのに、といつも思います。かくいう我が家も小さなベランダにトマトやハーブの鉢植えを置く程度なので、徒歩や輪タク(バイクに人用の荷台をつけた乗り物タクシー)でハバナの街を散策したとき、そういった豊かな暮らしぶりを目のあたりにして、改めてそういう気持ちを強く持ちました。
エコな社会を、持続可能な社会をと、よく耳にしますが、日本のような先進国がカリブの小さな国に学ぶことも多いような気がします。


カフェでの憩いの時間がゆっくりと流れるキューバンサルサ (E-300 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

キューバを代表するお酒、ハバナ・クラブ (E-300 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

Vol.09 ケルトとギネスの街・ダブリン(アイルランド)編に続く...



Vol.07 茫漠たる原野・ヨルダン

2008年09月24日 11:00 テーマ [ ]

ヨルダンの玄関港は最南端に位置する港町・アカバです。
日本からの世界一周や地球一周クルーズでは中東寄港の際にお馴染みの人気港です。
日本から地球をぐるりと回るとき、時差や航路の関係上、基本的に西回りとなりますので、インド洋から紅海を経て、アカバ湾へと進み、その後スエズ運河へと向かいます。


名前の由来には諸説があるが、紅海自体は青く澄んだキレイな海 (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

アカバ湾に沈む太陽。旅をリアルに実感するひととき (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

アカバ入港を歓迎してくれた軍楽隊の方 (E-3 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

Vol.05でアイスランドにあるギャゥと呼ばれる地球の裂け目の話をしましたが、この紅海も実は地球の裂け目であり、地溝帯に海水が溜まった場所です。そしてアカバ湾は世界的なダイビングのメッカ。8年前の話になりますが、友人の写真家がアカバ湾を航く客船上から、船と並んで泳ぐイルカたちを撮影しました。
その水の透明度と水面にゆらめくイルカの写真にとても魅せられたことを鮮明に覚えています。
エジプト、イスラエルとサウジアラビアの間に位置するアカバは海上交通の要所であり、現在は一大リゾート地としてもその名を馳せています。そんな魅力的な一面を持った街ですが、ここを訪れる人の大半の目的地は内陸に位置するワディラム砂漠やペトラ遺跡となります。


高い山が点在する赤い砂漠・ワディラムの地 (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

遊牧民・ベドウィンの交通手段は今も昔もラクダたち (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

ヨルダンの観光スポットベスト3にも入るワディラム砂漠とペトラ遺跡ですが、世界的にも有名になったのはそれぞれ映画の舞台となったことが理由でしょう。ワディラム砂漠は「アラビアのロレンス」の舞台となりました。この映画のタイトルを見ると「月の砂漠」をいつも連想してしまいます。実際のワディラムは赤い岩砂漠、語源は高い谷や月の谷からきています。遊牧民・ベドヴィンたちが暮らすようなテントに泊まって、いつか砂漠に広がる満点の星空や夜空に浮かぶ月を見たいなぁと思っています。一方、ペトラ遺跡は「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」に聖杯の隠された場所として登場しました。ボクも「シク」という細長い岩の谷を抜け、大きな岩山の間か初めて姿を現した宝仏殿「エル・ハズネ」を目にしたときはまるで映画のワンシーンの中にいるような錯覚を覚え、感動しました。ペトラ遺跡は柔らかい岩を削って作られているように、ギリシャ語の「岩」が語源となっています。


映画「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」で一躍有名になったペトラ遺跡の宝仏殿 「エル・ハズネ」 (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

「エル・ハズネ」は地下1階、地上2階で構築されている。写真はその内部 (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

お土産屋さんで売られている岩や砂を使った記念品 (E-3 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

今から2300年も前にこれだけの彫刻品とも呼べる巨大な神殿を作った人々がいたという事実に驚きます。
最盛期のペトラの街では奴隷を一切使わず、人々が互いに助け合う調和の世界が築かれていたことが、ギリシャの記録に残っています。これを示す具体的な証として、岩肌に刻まれた「平和」という文字が発見されたそうです。
私たちが住むこの地球を「調和」や「平和」に溢れた「和」の世界として後世にも繋げていきたいものです。

Vol.08 カリブ海の孤高・キューバ編に続く...



Vol.06 極北の氷の大地・グリーンランド

2008年09月16日 11:00 テーマ [ ]

旅したアイスランドを後にして、グリーンランドに向かいました。
レイキャビックから降り立ったのはグリーンランドの東海岸に位置する小さな街クルスク。空港に荷物を預け、街まで歩いて30分。
道路は舗装されておらず、途中で根を上げたボクは予備カメラとパソコンの入った車輪付のバックを岩陰に隠して、さらに街を目指しました。
カラフルな街並みに極北にきたことを沸々と感じました。最初はなかなか近づいてきてくれなかったイヌイットの子供たちもコンパクトデジタルカメラを差し出すと興味津々。カメラは時に交流アイテムともなります。
トランジットのため、3時間ほどの滞在でしたが、強い印象とさわやかな思い出がボクの心の中に残りました。


クルスクの中心地までは空港から徒歩30分(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

グリーンランド東に位置するクルスクの街(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

イヌイットの子供たちとはカメラを通じて仲良くなった(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

次に目指す場所は首都にして最大、最古の街・ヌーク。アメリカやカナダのクルーズ船の寄港地としても人気の高い港です。この街にして人口16,000人足らず。そもそも日本の5.7倍以上の面積であるグリーンランド自体の人口が60,000人ほどというから驚きです。ボクがグリーンランドに入国したのは9月中旬、その数日後には初雪がヌークの街を覆いました。


初雪に覆われたグリーンランドの首都ヌーク(E-410 / ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6

イヌイットの民族衣装(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

そしてその日の夜、初雪が幸運をもたらしてくれたのか、念願だったひとつの夢が叶ったのです。現地の方の家に招かれていた夕刻。綺麗な夕陽に胸騒ぎを覚え、なんだかそわそわしていたのですが、家人に別れを告げた後、空を見上げると紺の闇にほのかな緑の光が。20年近く前から夢見ていたオーロラがボクの頭上に光り輝いていたのです。持っていた三脚をたすき掛けにして坂道を転がらんばかりの勢いで駆け下り、小さな池の淵でカメラを構えました。撮影を始めたのが午後8時。その後、深夜4時頃まで、撮影に没頭しました。360°パノラマの空に広がるオーロラの撮影。ここでもワイドズームレンズ7-14mm/F4を筆頭にズイコーレンズ群がボクの初めてのオーロラ撮影を見事にサポートしてくれました。


オリンパスユーザー・グリーンランド人のÎsâvaraqさん(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

ヌークの街に浮かび上がるオーロラの数々(E-410 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

Vol.07 茫漠たる原野・ヨルダンに続く...



Vol.05 地球を感じる火の島・アイスランド

2008年09月09日 11:00 テーマ [ ]

北極圏近くに位置するアイスランドのレイキャヴィックはクルーズの寄港地としても人気を集めています。
同じ緯度に位置するフィンランドやスウェーデンと比べて冬の気温もそれほど下がりません。これはアイスランド自体が生きる火山島であることも一因で、且つ島を囲むように暖流が流れていることが影響しています。この火山島という特徴を活かし、お茶を沸かすにも、暖を取るにも地熱による豊富な温泉が活用されています。

アイスランド観光の代名詞ともなっているブルーラグーンという温泉施設がありますが、その温泉のすぐ脇に隣接する発電所からの温排水を家庭に送ることで、暖房に使用しているというわけです。(アイスランドの発電の約99%以上は、水力と地熱等クリーンエネルギーで賄っています。電力の約15%は地熱発電によるものです)。
石油資源を使うことが少ないため、レイキャヴィックは「空気のきれいな街」としても世界にその名を馳せています。このような取り組みで、将来的に化石燃料を全く使わない社会の実現を目指しているそうです。地球に優しい環境への取組み。同じ火山を持つ島国である経済大国の日本が人口30万人の小国・アイスランドに学ぶことも多いようです。


レイキャヴィックの街並み(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

広大な溶岩大地の中に位置する露天風呂・ブルーラグーン(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

レイキャヴィックのシンボル・ハトルグリムスキルキャ教会(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

アイスランドは大西洋中央海嶺とホットスポットの真上に位置しているため、海洋プレートの生成が地上で見られる珍しい島です。
レイキャヴィックから車で約2時間、「ギャゥ」と呼ばれる地球の裂け目は恐竜が闊歩しそうな地球の創世記のような風景です。ブルーラグーンと並んでアイスランドのもうひとつの代名詞・ゲイシール(間欠泉)では数分おきに地中から吹き上げてくる温水に地球の息吹を感じます。
氷河から流れ出た河水が幅70メートル、高さ10〜15メートルから落下し、豪快な飛沫を上げる滝・グトルフォスには地球のスケールを感じ、圧倒されます。ゲイシール、グトルフォスと同じくゴールデンサークルと呼ばれる場所に位置するシンクヴェトリル国立公園。ここには遡ること1000年以上前、世界で初めて民主議会が開かれた場所が存在します。それは人間の祖先が生まれたアフリカでもなく、文化が花開いたヨーロッパでもなく、民主主義を掲げるアメリカでもなく、周りを海に囲まれたアイスランドだったのです。
1969年、アームストロングは人類史上初の月面への第一歩を記しました。その月面擬似体験を行った場所が地球上でどこよりも月面に似ていたアイスランドの一部でした。ここはアイスランド人にとっても、地球人である我々にとっても「宇宙に触れ、地球を感じる神聖な場所」なのです。


間欠泉を意味する英語にも転用されたゲイシール(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

氷河から溶け出した水が河を形成する(E-410 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

プレートの裂け目に清水が流れる地球の割れ目・ギャゥ(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

岩壁が連なるギャゥは毎年2センチ広がるという(E-410 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

Vol.06 極北の氷の大地・グリーンランド編に続く...



Vol.04 麗しの水郷・コーチン(インド)

2008年09月02日 11:00 テーマ [ ]

インドの南西に位置するコーチン。
コーチンの南には無数の川と入り江が複雑なデルタ地帯を形成しています。コーチンのあるケーララ州は「椰子の国」とも呼ばれ、バックウォーターは椰子の木が生い茂る南国情緒豊かな水郷地域です。
自然豊かな地域を訪れるのは旅の魅力であり、撮影の醍醐味でもあるのですが、相当な暑さの中で、心配なのがカメラの精度です。
オリンパスのE-SYSTEMは、40℃近いインドでもなんのその。大いに活躍しました。
やはり撮影の道具として、安心感に勝るスペックはないでしょう。
コーチンで有名なものにカタカリダンスというのがあるのですが、神との交流手段だったと言われ、激しい歌と踊り、奇抜なメイキャップが特徴です。現地で訪れた家の長がカタカリダンスを砂絵で見せてくれたのですが、その色彩と躍動感は本物以上に迫力が伝わってきました。

水郷の名にふさわしいバックウォーターの風景

コーチン市内の街にはカラフルな衣装をまとった人々が行き交っていた
カタカリダンスの砂絵

コーチン独特の漁法、チャイニーズ・フィッシング・ネット

アラビア海に沈む夕陽に照らされて映えるチャイニーズ・フィッシング・ネット。
コーチン独特のこの漁法はつとに有名で、海中に沈めた網を引き上げて、すくい取るといった手法です。


夕暮れ時のチャイニーズ・フィッシング・ネット

投網のような漁法も日常的に行われている

日中、浜辺で撮影していると、笛を頭いっぱいに載せた一人の少年が歩み寄ってきました。にこりとも笑わないその少年は「笛を買ってくれ」と真っ直ぐな視線を向けてただ一言、言いました。
20代の頃のボクは行く先々でいろいろなお土産品を買っていました。30代も半ばになり、「旅はシンプルなものほどより良い」と思うようになり、本当に欲しいモノ、一目惚れしたモノ以外は買わなくなりました。
でもこのときは媚びることのない真っ直ぐな視線に何かを教えられたような気がして、吹くこともできない笛を一本買ってみました。
人は何かを思うとき、その表情は目に集約されると思います。たまに目を見ないで話をする人物がいますが、なにか物悲しい気分になります。
インドで出会ったいつかの少年の瞳を今でもはっきりと覚えています。


海岸で出会った笛売りの少年

一般家庭には穏やかな時間が流れている

街の雑貨屋さん

ポルトガルの探検家バスコ・ダ・ガマが埋葬された聖フランシス教会近くで出会った子供たち

写真撮影機種:E-300

Vol.05 地球を感じる島・アイスランド編に続く...



Vol.03 世界三大美港のひとつ、シドニー(オーストラリア)

2008年08月26日 11:00 テーマ [ ]

世界三大美港と呼ばれる港のひとつがここシドニー。
他の二つにはサンフランシスコ(米国)、リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)が挙げられます。世界三大○○と名のつくものには諸説があり、ナポリ(イタリア)や香港(中国)、はたまた神戸(日本)という声も聞かれます。いろいろな組み合わせがあるのですが、それでもシドニーが外れることはありませんので、「世界一美しい港」と呼べるかもしれません。

ハーバーブリッジとオペラハウスがシドニーの2大シンボルです。
このハーバーブリッジには人が歩いて渡れる歩道のほかに、アーチの頂上に登るブリッジクライムというアトラクションがあります。
辿り着く頂上の高さは海抜134メートル。東京・お台場にかかるレインボーブリッジの高さが127メートルですので、それを上回る高さから世界一美しいハーバーを一望できるというのはなかなか経験できることではありません。
ボクは明石大橋(298メートル)、瀬戸大橋(194メートル)の上からの撮影を経験したことはありますが、ぜひ一度シドニーの街並みを眼下に撮影をしてみたいと思っています。


ハーバーブリッジ頂上に掲げられるオーストラリア国旗

国際客船ターミナルに停泊するにっぽん丸をサーキュラー・キー駅から眺める

ハーバーブリッジとオペラハウスの間を通過して入出港するぱしふぃっくびいなす

美港の条件

美しい港には客船がよく似合います。利便性がよく、客船ターミナルを一歩出れば、すぐ側に街がある、というのが美港の一番の条件と言えるかもしれません。
シドニーの街は散策に便利で、郊外などへのアクセスも良好です。中でも世界屈指の港湾都市らしく、国際旅客船ターミナルのあるサーキュラー・キーはシドニー観光のメインスポットであるとともに、シドニー北部へと無数に行き交うフェリーや公共バスの発着場、隣接するシティレール駅があり交通の拠点となっています。
港の風景は刻一刻と変化し、空の色と人の流れを見ているだけでも、一日中飽きることがありません。
これこそ港街ならではの楽しみと言えるでしょう。


シドニー北部方面に向かうフェリー

遊園地感覚で市内を巡るモノレール

お洒落な商業スポット、歴史ある建築物が並ぶロックス

サーキュラー・キーから10分の船旅で訪れることのできるタロンガ動物園

2000年に世界遺産として登録されたブルーマウンテンズ

サーフィンのメッカ、ボンダイビーチ

クルーズ客船で訪れるもよし、フェリーで訪れるもよし、飛行機で訪れた国の港に足を運んでみるのも良いでしょう。
港はその国、その街の玄関口であり、顔でもあります。
ボクが住む横浜も来年2009年に開港150周年を迎えます。江戸時代には寒村であった横浜も今や「世界の横浜」と呼べる港湾都市となりました。
港街に歴史あれば、国にも歴史あり。港は海を隔てて世界と時代を繋ぐ魔法の扉を持つ場所。
お気に入りの世界三大美港を探す『地球クルーズ』という名の船旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?

写真撮影機種:E-500

Vol.04 麗しの水郷・コーチン(インド)編に続く...


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